思う事

まず、今回の事件に対して思う事はあるが解決策を導くことはできないし、勉強不足もあるので思考の整理という点で思ったことをつらつら吐こうと思う(6/3現在)

 

タイトルにもある思う事とは"George Floyd氏"というアメリカで起きた白人警官の暴行により、無抵抗の黒人男性が殺害された件について。2020年5月25日(米国時間)の戦没者追悼記念日であるメモリアルデーに起こった惨事である。

 

この件を受けて事件の起こったミネアポリスをはじめとした全米の各地でデモやそれが激化した略奪行為などが発生している。こうした白人による黒への暴行や殺害は過去に何度も起きている。それこそ今回ほどの騒ぎにはなっていないが

 

2020年2月:ジョギング中の親子が射殺される。

2020年3月:救急救命士が自宅で射殺される。

2020年5月:警官により射殺される。

 

という事件が起きており、いずれも白人による黒人の殺害である。米国では警官の点数稼ぎのために、黒人の運転する車両を止めて本人が持っていなかった薬物や銃を所持していたとして逮捕するという事件があるそうだ。このような事件が横行しているのであれば、車両を止められたところで素直に協力もする気にならないであろう。また、アメリカでは黒人の子供は外で警察に止められた時の対応について家庭で学ぶという。下手な対応やおどおどして怪しさを感じさせると逮捕、下手すると射殺される可能性があるからだという。

 

このような事が"自由の国"を謳うアメリカでいまだに起こっているのだ。

 

今の米国のトップはドナルド・トランプである。彼が大統領選の際に掲げていた公約(スローガン)が"America First"である。国家という単位で物事を考える場合、自国の発展のために尽くすことは間違いではない。それが他国の利益や関係性を顧みずの行動であってはいけないし、それが酷くなればまさにファシズムとなろう。だが、彼の掲げる"America First"。聞こえはよいがその"America"の中には有色人種は含まれていない。黄色人種である日本人ももちろん含まれていない。自身と同じ白人主義、つまりはレイシズム(人種主義)である。

 

…では自分にそのような差別意識はないのか?と問われるとないとは言い切れないのが実情である。

 

自分には日本国籍以外の友人が数人いる。黒人も白人も黄色人種もいる。何故、友人になれた分析するのも野暮ではあるがある程度の年齢になり分別がついていたから…というのも理由にあると思う。生まれてから学生を経て社会人になるまでにクラスメイト等の近しい間柄には日本人しかいなかった。やがて社会人となり色々なできごとや人と出会い"差別はよくない、みんな仲良く"といった漠然としたものが出来上がってから出会えている。もし、自分に何も知識がなく幼稚園の頃にポツンと一人の黒人の子がいたらと考えると視覚的な情報から"別のモノ"という認識をして、いじめ(差別し)たりしていた可能性が大いにある。

これは日本が"ほぼ"単民族国家で幼少のころからそういった違いに触れることがなかったのも要因の一つとも考える。

 

では、同じ黄色人種である中国・韓国といったアジア籍の人間に対してはどうだろうか?自分には韓国の友人がいるため、あまり意識してこなかったが来日観光客のマナーの悪さや国交関係…特にメディアによる煽り等もあり良い印象は持っていない。去年、上海に一人旅に行った際に"思ったより悪い場所・人じゃないぞ"といった印象を抱いたはずなのに。

 

これに関しては常に意識していくしかないと考える。幸いなことにインターネットの普及した社会なので、日本から出ずとも他国の状況や情報は入手できるし、日本を訪れる・日本に住んでいる外国人は沢山いて触れる機会はあるのだ。上で言ったマナーの問題も国の文化の違いによるもので、悪意があったやったとは限らない。注意することで改善もするし、注意された人が周知することで良くない行いやそれをやる人が減る可能性だって大いにある。

 

人種差別が生まれる一因として"理解不足"を挙げたが、もうひとつ大きな要因があると考える。それが"優位差"である。今もなお残る差別がなぜ発生したかというと、奴隷制度が発端である。ファシズムのもとに新たな大陸を発見し、侵略し、その土地に住んでいた人間たちを奴隷として扱った。また、中世の貴族と平民や日本の江戸時代にもみられた"士農工商"といった階級制度、これを作ることで統治を楽にした。

現代社会において差別は撤廃され、皆が平等とはいうがこうした制度の影にいまだおかれているのである。

では金持ちが貧乏人に私財を無償で与えるか?今の白人が黒人と容易に立場を交換できるか?というと不可能であろう。皆、自分が可愛いのだ。手放しに"皆を平等に"と謳ったところで、今の資本主義国と社会主義国の差を見てみれば違いは一目瞭然である。自分の立場を下げてまで他人を良くしようとできる余裕がないのだ。資本でも地位でも、また他の何かでも余裕のリソースを増やすことが必要であると考える。最適解は1963年…つまり40年以上も前にキング牧師も謳っている。しかし、コンピュータが発展しようと、インターネットが発展し、他人と容易に繋がれるようになろうともその解を導くための特効薬のような方程式だけはいまだ見つかっていない。

 

それに人種だけじゃない、国籍も性別も差別の対象になり得る。

 

NBA選手であるKareem Abdul-Jabbarの言葉にこういったものがある

 

人種差別というものは空気中を舞う埃のようなものだ

照らしてやる事で目に見えて掃除することもできる

 

 

今回の暴動や略奪のように埃だって火種を与えれば粉塵爆発して大災害になる可能性もある。だが、コレといった解決策もない中、自分たちに出来ることは人種差別という問題について考え、意識し、明かりを絶やさずにこの問題に対して向き合い続けることだと思う。